アベニール保育園は保育園と塾が一体化した保育園です

子ども家庭庁所管 企業主導型保育園

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6月 子ども達に触れてほしい物

2021.6.4 園長ブログ 未分類

6月 子ども達に触れてほしい物

皆さん、こんにちは

6月に入り晴天と爽やかな風を感じることができる日もありますが、梅雨の香りが漂っている今日この頃。梅雨に入れば室内活動が増えるので、アベニール保育園の子ども達は今のうちにたくさん日光に当たって元気に体を動かしています。

アベニール保育園は企業主導型保育事業として、開園して3年目に突入しました。
保育がしっかりとした形となってきて、園としての子ども達の成長目標も明確になっている今、子ども達の成長を大切にしながら、様々な事に挑戦できる場所であり、唯一無二の場所。誰もが憧れる楽しい時間を過ごして参りたいという思いで運営しております。
そんな思いを、職員一同どのように日々形にしているのか、何回かに渡りご紹介させて頂きます。

金木犀が咲く頃に、街中に漂う華やかな香り。ある大人が子どもに問いかけます。「この香り知ってる?」年中さんか年長さんぐらいの年の子です。金木犀というものを知っているのだろうか。と様子を見ていると子どもは直ぐに答えました。「これ、トイレの匂いでしょ?」
私は耳を疑いました。「これ、金木犀の匂いでしょ?」そんな言葉を期待していたのかもしれません。ですが、その子の金木犀との原体験は“トイレ”だったのです。
魚は三枚おろしのまま海を泳いでいると思っている子や、果物は切った後の形しか知らず、切る前の形を知らない子など。そんな話を見聞きする度に、本来の形に触れる機会の少なさを強く感じます。アベニール保育園では、園に通う子ども達に『本物に触れてもらいたい』という思いから、日常生活やイベントの様々な場面で“本物”を用意させて頂いております。

例えば春、玄関には細やかながら桜を飾り、5月は菖蒲を飾ります。園内の階段には立派な兜に、外には空を泳ぐこいのぼり。6月、今月は紫陽花を飾ります。小さな保育園なので園庭はなく、飾る植物の規模も限られますが、植物や土の質感、香りを少しでも感じてもらえるだろうかと考えます。

夏には、とうもろこしの皮むきや枝豆のサヤ取りも行います。皮を剥いて、とうもろこしの黄色い姿を見る楽しみや、自分でサヤから切り離し、給食やおやつでお友達と一緒に頂く喜びを味わってもらえたらと用意します。

    

冬には、ご家庭ではなかなか扱えないほどの大きさのツリーを用意してクリスマスの日までをワクワクした気持ちで待ってみたり、木の杵と臼で実際に餅をついてみたりと貴重な体験を園内で行います。

    

子どもたちが本物に触れる時、喜びや楽しみだけではない感情も生まれます。実際、飾られたお花を見て恐る恐る触れてみたり、枝豆のサヤ取りで汚れた手を直ぐに洗い落としたくなったり、はたまたザラザラの質感を気持ち悪がったり、木の杵の慣れない感触に硬直してしまうこともあります。

そんな子ども達の、なんとも表現し難い難しい感情を沢山抱いている様子は、心の豊かさをぐんぐんと育んでいるように感じます。

人と人は言葉を交わし、表情を向け合い、お互いの言葉や姿を理解し合ってコミュニケーションが成立しますが、それは恐らく対モノでも同様なのではないかと、子ども達との関わりの中で気付かされます。何かに恐れて踏み出すことに躊躇する慎重さは、時に挑戦する機会を逃すことになることもあります。今しか磨けない感覚に、今しか促すことのできない様々な事柄を、子ども達に届けていきたいと思っております。

 

施設長 石川